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【ペットボトル】ラベルレスの仕組み:分別・再生利用と表示のルール

ラベルレスのペットボトルは、ラベルの廃棄や分別時にラベルをはがす手間を減らすことを狙った設計です。PETマークの表示ルールの改正、設計認定基準、ボトルとキャップの設計、分別の役割分担を、経済産業省などの資料に沿って分けて整理します。

【ペットボトル】ラベルレスの仕組み:分別・再生利用と表示のルール

この記事でわかること

  • ラベルレスは包装の設計とPETマークの表示ルールの話で、再生利用の仕組み全体とは分けて考える
  • 経産省は2026年7月30日、バラ売りのPETボトルでも、ラベルに他法令の表示がないときはラベルへのPETマーク表示を省略できる省令改正を公布・施行した(容器への刻印は引き続き必要)
  • ボトル本体・キャップ・印刷は、設計認定基準や自主設計ガイドラインで再生処理の観点から決められている

ラベルのないペットボトル飲料は、ラベルを貼らないことでラベルの廃棄量を減らし、家庭で分別するときにラベルをはがす手間を省くことを狙った設計です。ただし、ラベルレスであることだけで、ペットボトル全体の環境負荷や再生利用のしやすさが決まるわけではありません。

この記事では、ラベルレスに関わる制度を、PETマークの表示ルール、食品表示、設計認定基準、自主設計ガイドラインに分けて整理します。それぞれ別の制度や取り決めなので、混ぜずに見ていきます。

PETマークの表示ルールとラベルレス

資源の有効な利用の促進に関する法律に基づく省令は、PETボトルに「PETマーク」を次の2つの方法で表示するよう求めています。

  1. 容器の底部または側部に、1箇所以上、刻印する
  2. 容器の側部に、1箇所以上、印刷する、またはラベルをはる

経済産業省によると、①は、回収された使用済みボトルを自治体などが選別するときにPETマークを識別しやすくするため、②は、主にラベルへの表示によって、消費者が識別して適切に分別排出できるようにするためです。

ラベルレスの範囲は、段階的に広がってきました。

  • 2020年4月:箱売りの場合は、外箱にPETマークを表示すれば、個々のボトルへのラベル(による②の表示)を省略できるようになった
  • 2026年7月30日:バラ売りのPETボトルでも、ラベルに他法令の規定による表示が付されないときは、ラベルへのPETマークの表示を省略できる省令改正が公布・施行された。経済産業省は2026年8月3日に発表している

どちらの場合も、①の刻印は引き続き必要です。また、ラベルに食品表示法などで求められる表示が必要な場合は、その表示まで省略できるわけではありません。

経済産業省の審議会資料(2026年4月24日)では、刻印されたPETマークだけでも消費者がこれまでどおり分別できるかを調べたアンケート(業界団体に属する事業者が提供した資料による)が示されています。ラベルレスのボトルでも変わらずリサイクル行動ができると回答した人は、液色が黒いサンプルでほぼ100%、液色が透明なサンプルで99%でした。経済産業省は、この改正によって、ラベル廃棄量の削減による環境負荷の低減と、ラベルをはがす手間が省けることによる分別排出の容易化が期待されるとしています。これらは期待される効果であり、改正後の実測値ではありません。

食品表示はどうなるのか

ラベルがなくても、食品表示法などで求められる表示は必要です。経済産業省の審議会資料は、消費者庁が、ペットボトル飲料でラベルなどが貼られていない場合は「ふた」のみを表示可能面積として差し支えないという見解を食品表示基準のQ&Aで示したと紹介しています。これにより、表示事項の記載量が少ない商品では、キャップに食品表示法上の表示ができるとされています。

どこに何が表示されるかは商品によって違います。購入するときは、容器、キャップ、外箱などの表示を確認します。

ペットボトルの分別と再商品化

容器包装リサイクル法では、消費者が分別して排出し、市町村が分別収集し、事業者がリサイクルするという役割分担があります。環境省は、消費者には市町村が定める分別ルールに従って排出することが求められていると説明しています。ラベルレスの商品でも、自治体の分別ルールに従う必要があります。

設計認定基準(プラスチック資源循環促進法)

清涼飲料用ペットボトル容器については、プラスチック資源循環促進法に基づく設計認定基準が、2026年1月25日に施行されました。経済産業省は2026年2月10日に、この制度で初めての認定を行ったと発表しています。第1号として認定されたサントリー食品インターナショナルの製品は、全数に100%リサイクルペットボトルを使用した手売り用の商品でした。同じ日に認定された商品の一覧には、ラベルレスと表記された商品も含まれています。

令和6年10月に経済産業省が示した「設計認定基準(案)」では、次の3つが要求事項として示されていました。

  • PETボトルリサイクル推進協議会の自主設計ガイドラインの必須事項をすべて満たすこと
  • 年間のボトル平均重量が、用途・容量別の軽量化基準を満たすこと
  • 再生材またはバイオマス素材を、年間重量ベースで15%以上使用していること

ここで紹介したのは基準の案の内容で、施行された基準の文面は確認していません。

自主設計ガイドライン(PETボトルリサイクル推進協議会)

PETボトルリサイクル推進協議会の自主設計ガイドライン(原則基準)は、再生処理の観点から、ボトル本体・ラベル・キャップについて、必須事項と望ましい事項を定めています。必須事項には次のようなものがあります。

  • ボトル本体:PET単体とし、PET主材以外の物質を添加・複合しない。着色しない。ボトル本体への直接印刷は行わない(賞味期限・製造所固有記号・ロット印字などの微細な表示は除く)
  • ラベル:PVCを使用しない。再生処理の比重・風選・洗浄で分離可能な材質・厚さとする。アルミをラミネートしたラベルは使用しない
  • キャップ:アルミキャップは使用しない。PVCを使用しない。比重1.0未満のPEまたはPPを主材とする

ラベルレスはラベルに関わる部分を変える設計ですが、ボトル本体やキャップについては、ラベルの有無とは別にこのような決まりがあります。

よくある誤解

「ラベルがない=リサイクルが完璧に回る」ではない

ラベルレスは、ラベルの廃棄や分別時の手間を減らすことを狙った設計です。ボトルやキャップの設計、回収・選別の仕組みは別の取り決めで定められており、ラベルレスであることだけで環境への効果が決まるわけではありません。この記事で読んだ資料には、ラベルレス化による環境負荷の削減量を実測した数値は含まれていません。

まとめ

ラベルレスのペットボトルは、ラベルの廃棄や分別時にラベルをはがす手間を減らすことを狙った設計です。PETマークの表示ルールは、2020年4月の箱売りに続き、2026年7月30日にバラ売りにも広げられました。刻印は引き続き必要で、他法令で求められる表示も省略できません。ボトル本体・キャップ・印刷は、ラベルの有無とは別に、設計認定基準や自主設計ガイドラインで再生処理の観点から決められています。

よくある質問

Q. ラベルレスなら分別しなくてもよいですか?

不要になりません。自治体のルールに従って排出します。

Q. ラベルがないと商品情報はどこで確認しますか?

商品によって違います。経済産業省の資料では、箱売りは外箱にPETマークを表示すること、ラベルがない場合は消費者庁の見解により「ふた」のみを表示可能面積とできることが紹介されています。容器、キャップ、外箱の表示を確認します。

Q. ラベルを外せば再生材の品質が必ず上がりますか?

この記事で読んだ資料には、ラベルレス化で再生材の品質が上がると示した記述はありません。

参考資料・出典