
この記事でわかること
- ノンレム睡眠はN1〜N3の3段階。深い眠りはN3を指す
- レム睡眠は眼球運動と活発な脳活動が特徴で、夜の後半に増える
- 90分は固定の時計ではなく目安。夢の記憶だけで睡眠を評価しない
「深い眠り」とノンレム睡眠は同じ?
ノンレム睡眠をすべて「深い眠り」と呼ぶと、入眠直後の浅い段階を見落とします。睡眠の分類は、本人の眠った感覚ではなく、検査で記録する脳活動や眼球運動などに基づきます。
米国立心肺血液研究所(NHLBI)の説明では、ノンレム睡眠は3段階に分かれます。
| 分類 | 見分けるポイント |
|---|---|
| N1 | 覚醒から眠りへ移る段階 |
| N2 | ノンレム睡眠の第2段階 |
| N3 | 深い眠り。徐波睡眠とも呼ばれる |
| レム睡眠 | 急速な眼球運動と、覚醒時に似た活発な脳活動が特徴 |
レム睡眠を単に「浅いノンレム睡眠の続き」と考えるのも適切ではありません。ノンレムの段階とレムという分類を分けると、一晩の変化を読み違えにくくなります。
90分は目覚まし時計の単位ではない
NHLBIは、睡眠の周期を80〜100分、一晩の繰り返しを通常4〜6回と説明しています。90分はその目安を覚える言い方で、すべての周期が同じ長さという意味ではありません。
深いノンレム睡眠は夜の前半に、レム睡眠は後半に多くなります。したがって「前半と後半で同じ90分を繰り返す」という図では、一晩の違いを表しきれません。睡眠のパターンは年齢でも変わります。
この目安から、特定の時刻に必ず浅い眠りになっているとは計算できません。たとえば就床から6時間という経過時間だけでは、その人の現在の段階を判定する材料が不足しています。周期の説明と、起きやすい時刻の保証を分けて読むことが大切です。
夢を覚えているだけでは質を判定できない
NHLBIは、夢は通常レム睡眠中に起こると説明しています。ただし、これは「夢の記憶があれば睡眠が正常だった」と証明する指標ではありません。夢を覚えていたという本人の情報と、検査で睡眠段階を分類した情報は異なります。
また、睡眠全体は学習や長期記憶、身体の健康を支えるとされています。レム睡眠とノンレム睡眠の役割を「レムは脳の整理、ノンレムは体の修復」のように単純に二分する説明は、NHLBIの資料では示されていません。その区分を、眠りの良し悪しを自己診断する道具にしないでください。
日常の習慣は周期の計算と分けて考える
NHLBIの生活習慣の案内では、十分な睡眠時間を確保し、就寝と起床の時刻をそろえること、寝室を静かで涼しく暗くすることなどを挙げています。就寝前の強い光、飲酒、カフェインにも注意が必要です。
これは一般的な生活習慣の案内であり、起床時刻の固定が誰にとっても「最も効果的」と比較した結論ではありません。交替勤務など、生活時間が通常の昼夜と異なる場合もあります。90分の計算に合わせて必要な睡眠時間を削る、という読み方は避けましょう。
参考資料・出典
- NHLBI:Sleep Phases and Stages(2022年3月24日更新。段階、周期、夜の前半・後半の違い)
- NHLBI:Why Is Sleep Important?(2022年3月24日更新。睡眠全体と記憶・身体の健康)
- NHLBI:Healthy Sleep Habits(2022年3月24日更新。生活習慣の案内)
