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【米】白く濁った米粒が増えたのはなぜ?高温で起こる「白未熟粒」の仕組み

米粒が白く濁って見える白未熟粒は、登熟期に高温などの影響を受け、デンプンが粒の内部へ十分に詰まらないことで起こります。2025年の高温と地域差、品種や栽培管理との関係を解説します。

【米】白く濁った米粒が増えたのはなぜ?高温で起こる「白未熟粒」の仕組み

この記事でわかること

  • 白未熟粒はデンプンの詰まり方が不十分になり白く濁って見える現象
  • 2025年夏は記録的な高温で影響が見られた地域が広がった
  • 影響が見られた作付面積の割合と米粒そのものの割合は別の数字

米を研いでいると、透明感のある粒に混じって、白く濁った粒が見えることがあります。これは古くなった米や、見た目だけでカビと判断できるものではありません。稲が穂を出した後の「登熟期」に高温などの影響を受け、米粒の内部にデンプンが十分に詰まらないと、光が乱反射して白く見えることがあります。

この現象は白未熟粒と呼ばれます。2025年夏は日本の平均気温が観測史上最高となり、水稲でも高温による影響が報告されました。米不足や価格のニュースとは別に、米粒の中で何が起きているのかを見ていきます。

白未熟粒とは何か

稲の花が咲き、穂に実った米粒が大きくなっていく過程を登熟といいます。米粒の内部では、葉で作られた養分が運ばれ、デンプンとして蓄えられます。順調に詰まると、玄米は光を通しやすく、透明感のある状態になります。

一方、登熟期に高温や日照不足などのストレスを受けると、デンプンの蓄積が十分に進まないことがあります。粒の内部に細かな隙間ができ、光がさまざまな方向へ散るため、白く濁って見えます。白未熟粒は、炊飯後の白さを指す言葉ではなく、主に玄米の内部構造に関する呼び方です。

高温で白く見えやすくなる理由

米粒が大きくなる時期に気温が高すぎると、デンプンを作って蓄える働きと、粒へ養分を運ぶバランスが崩れやすくなります。外側から固まる部分と内部の蓄積の進み方に差が生じると、中心部が白く見えることがあります。

ただし、気温だけで全てが決まるわけではありません。品種、田植えや出穂の時期、水田の水分状態、日照、稲の生育量などが重なります。同じ地域でも田んぼの条件や品種が違えば、白未熟粒の出方が同じになるとは限りません。

2025年の数字は何を示しているのか

農林水産省の2026年3月の速報では、2025年夏の日本の平均気温偏差はプラス2.36度で、1898年以降で最も高かったとされています。白未熟粒の発生が見られた地域の割合は、作付面積ベースで全国3〜4割、西日本5〜6割、東日本3〜4割と整理されました。

ここで注意したいのは、「全国の米粒の3〜4割が白くなった」という意味ではないことです。分母は白未熟粒の発生が見られた地域の作付面積であり、実際の粒数や収穫量の割合とは異なります。ニュースの数字を読むときは、対象が地域なのか、作付面積なのか、米粒そのものなのかを確認する必要があります。

品種や栽培管理で差が出る

農林水産省は白未熟粒への対応として、高温耐性品種の導入、品種の熟期分散、移植時期の見直し、肥培管理、水管理などを挙げています。高温耐性品種は、暑い時期に登熟しても品質の低下を抑えやすい性質を持つ品種です。

2025年には高温耐性品種の作付面積が前年より4.2万ヘクタール増え、主食用米に占める割合が18.2%になったという速報もあります。これは農家が気温の変化に対応するための選択肢の一つです。高温耐性品種でも全ての影響を防げるわけではなく、地域や年の条件によって結果は変わります。

よくある誤解

白く濁った米は、古い米かカビなので食べられない。

白未熟粒という見た目の現象だけで、食品としての安全性や食べられるかどうかを判断することはできません。白未熟粒は、主に稲の生育中に起きたデンプンの蓄積状態を示す言葉です。保存状態や異臭、カビなど別の問題とは分けて考える必要があります。

また、「高温だったから全国の米が同じように白くなった」とも限りません。品種、出穂時期、水田の状態、地域の気温が異なるため、発生の程度には差があります。白未熟粒を米不足や価格高騰の単一原因とするのも正確ではありません。

まとめ

白未熟粒は、稲の登熟期に高温などの影響を受け、米粒の内部にデンプンが十分に詰まらないことで白く濁って見える現象です。2025年夏は記録的な高温となり、白未熟粒の発生が見られた地域も広がりました。

ただし、作付面積の割合と米粒そのものの割合は違います。品種、水管理、肥培管理、出穂時期などの条件も関係するため、白い見た目だけから原因や安全性を断定しないことが大切です。

よくある質問

Q. 白未熟粒は炊くと必ず分かりますか?
A. 玄米や精米の状態で見え方が変わり、炊飯後の見た目だけで白未熟粒を判定できるとは限りません。記事で扱った白さは、主に米粒内部の構造によるものです。

Q. 白未熟粒は高温だけで起こりますか?
A. 高温は主な要因ですが、日照、品種、生育時期、水田の管理なども関係します。一つの要因だけで全国の発生を説明することはできません。

Q. 高温耐性品種なら影響はなくなりますか?
A. 影響を抑える選択肢の一つですが、気象や生育条件によって結果は変わります。全ての白未熟粒を防ぐ品種という意味ではありません。

参考資料