
この記事でわかること
- 再配達は配達時の不在と受け取り方法のずれから生まれる
- 再配達率が1桁でも宅配便の母数が大きく負担は無視できない
- 宅配ボックス・ロッカー・置き配など受取方法が多様化している
宅配便を一度で受け取れず、再配達を依頼した経験がある人は少なくありません。再配達は、単に受取人のマナーだけで起きる現象ではありません。ECで注文される荷物が増え、配達する時間と受け取る人の在宅時間が合わず、受取方法の選択肢も変化しているためです。
国土交通省によると、2025年10月の宅配便再配達率は約8.3%でした。割合だけを見ると小さく感じますが、宅配便の取扱個数は年間約50億個に達します。再配達率と、実際に動く荷物の母数を分けて考えることが重要です。
再配達が生まれる基本の流れ
宅配便は、荷物を営業所や物流拠点から配達先へ運び、指定された住所で受取人へ渡すことで完了します。配達員が訪れた時点で受取人が不在だったり、置き配や宅配ボックスを利用できなかったりすると、持ち戻りが発生します。
その後、受取人が日時や場所を指定して、配達員がもう一度荷物を運びます。この一往復が再配達です。荷物が同じ地域内を二度移動するため、配達時間、車両、燃料、仕分けなどの負担が増えます。
ECと宅配便の母数が大きくなった
国土交通省の資料では、2024年度のEC市場は全体で約26.1兆円、物販系分野だけでも約15.2兆円の規模になっています。通販で買った商品は、店舗で受け取らない限り、個別の住所へ配送されます。
宅配便の取扱個数が約50億個あると、再配達率が8%台でも、単純計算で数億個規模の再配達が発生し得ます。実際の件数は調査対象や集計条件によって変わりますが、割合だけで負担の大小を判断できない理由はここにあります。
配達時間と在宅時間が合わない
配達は日中に行われることが多い一方、受取人が仕事や学校で家を空ける時間も日中に集中します。指定できる時間帯が限られていれば、受け取れる日と配達できる日が合わないことがあります。
さらに、注文時に登録した住所が自宅であっても、実際には勤務先や外出先にいる場合があります。家族が在宅していても、インターホンに気付かない、受け取れる荷物の条件が分からないなど、受取人の生活時間だけでは説明できないずれもあります。
受取方法が多様化している
再配達を減らす方法として、宅配ボックス、宅配ロッカー、置き配、営業所や店舗での受け取り、日時指定などがあります。国土交通省は、これらを一つの正解として押し付けるのではなく、荷物や住宅環境に応じて選べる受取方法として整備を進めています。
| 受取方法 | 仕組みの特徴 |
|---|---|
| 宅配ボックス | 配達員が在宅を待たず、設置された箱へ入れる |
| 宅配ロッカー | 集合施設や駅などの共用設備で受け取る |
| 置き配 | 指定された場所に荷物を置く |
| 店舗・営業所受取 | 自分が移動して受け取る |
| 日時指定 | 在宅できる時間帯へ配達を寄せる |
利用できる方法や条件は、住宅、荷物、契約、事業者によって異なります。置き配の補償や保管条件などを一律に断定せず、利用時は各サービスの案内を確認する必要があります。
再配達率の読み方
再配達率8.3%は、調査対象期間に配達された荷物のうち、再配達となった割合です。荷物の8.3%が必ず二度目の配達で届くという意味ではありません。調査対象の事業者、地域、月によって値は変わります。
2025年10月は2024年10月の約9.0%から0.7ポイント減り、2025年4月の約8.4%からも0.1ポイント減りました。数字が下がった背景には、置き配や宅配ボックスなど受取方法の変化、日時指定、利用者への周知などが考えられますが、単一の施策だけで説明することはできません。
再配達が約8%なら、物流全体への影響は小さい。
これは母数を無視した理解です。宅配便の取扱個数が非常に多いため、割合が1桁でも実際に再び運ばれる荷物は大量になります。再配達率を見るときは、割合と取扱個数をセットで確認します。
まとめ
宅配便の再配達は、不在だけでなく、ECによる荷物の増加、配達時間と在宅時間のずれ、受取方法の選択肢と関係しています。2025年10月の再配達率は約8.3%でしたが、宅配便の母数が大きいため、物流への負担は割合だけでは判断できません。
宅配ボックス、ロッカー、置き配、店舗受取、日時指定など、受け取り方は多様化しています。生活環境と荷物の条件に合う方法を選べることが、再配達を減らす仕組みの一部になっています。
よくある質問
Q. 再配達率8.3%は、全ての宅配便で同じですか?
A. 同じではありません。調査月、地域、対象事業者などによって変わるため、国土交通省の調査条件と一緒に読みます。
Q. 置き配を選べば必ず再配達はなくなりますか?
A. 必ずなくなるとは限りません。荷物の種類、建物の条件、指定場所、サービスの利用条件によって、置き配を使えない場合があります。
Q. 宅配便の荷物は年間どれくらいありますか?
A. 国土交通省の資料では、宅配便の取扱個数は約50億個とされています。年度や集計範囲によって変わるため、具体的な数字には対象時点を付けて確認します。
