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イカとタコに心臓が3つある理由:意外な体のしくみ

イカもタコも心臓を3つ持っています。メインの心臓1つと、エラ専用の鰓心臓2つ。なぜ3つ必要なのか、そして無脊椎動物としては驚異的な知能の高さまで、イカ・タコの体の秘密を解説します。

イカとタコに心臓が3つある理由:意外な体のしくみ

この記事でわかること

  • 心臓は3つ:体循環用1つ+エラへ血液を送る鰓心臓2つ
  • イカは進化で外殻を失った貝類の仲間で、体内に軟甲(貝の名残)が残る
  • タコの神経細胞数は約5億個(ネコに近い水準)で、無脊椎動物では群を抜く

「イカとタコには心臓が3つある」と聞いてもピンとこない方が多いかもしれません。なぜ3つも必要なのか、そもそもどういう構造なのか——体のしくみを知ると、この意外な事実の理由が見えてきます。

心臓が3つあるしくみ

イカとタコは、体全体に血液を循環させる心臓(体心臓)1つと、**エラ(鰓)専用の心臓2つ(鰓心臓)**の、合計3つの心臓を持っています。

人間の場合、心臓1つで肺と体の両方に血液を送ります。しかしイカ・タコの体循環システムでは、体全体の血液を送るメインの心臓の圧力が肺循環にも使われると効率が落ちます。そこでエラ専用のポンプ(鰓心臓)を2つ別に持つことで、酸素の取り込みを効率化しています。

重要なのは、3つあるからといって「丈夫」なわけではないことです。体心臓(メインの心臓)が傷つけば、鰓心臓があっても生きていけません。

血液が青い理由

イカとタコの血液は、青色です(酸素を運ぶタンパク質がヘモグロビンではなく「ヘモシアニン」で、銅を含むため青くなる)。冷水・低酸素環境での酸素運搬に適した構造とされています。

イカは「貝の仲間」

見た目から想像しにくいですが、イカは生物学的に軟体動物に分類され、貝と同じグループです。

進化の過程でイカの祖先は外殻(貝殻)を失いましたが、その名残が体内に残っています。「イカの甲」「軟甲」と呼ばれる白い半透明の板状の部分がそれです。スルメイカを開くと入っている透明なプラスチックのような薄板(ペン)も同様の構造です。タコはこの軟甲もほぼ消失しています。

タコの知能:無脊椎動物最強クラス

知能の目安のひとつとなる脳の神経細胞(ニューロン)の数を比べると、タコの高さが際立ちます。

動物神経細胞数の目安
人間約860億個
イルカ数十億個(推定)
約5億〜6億個
タコ約5億個
ネコ約7億個
ミツバチ約100万個

タコの神経細胞数はネコや犬に近い水準で、無脊椎動物の中では突出して多い数です。さらに、神経細胞の3分の2は脳ではなく8本の腕に分散しており、各腕がある程度自律的に動ける特殊な構造をしています。

タコの擬態能力

タコは体表の色・模様・質感を自在に変化させる擬態能力を持ちます。砂・岩・サンゴ・金属光沢のような見た目を数秒で作り出せます。

この複雑な擬態を実行するためには、神経系の高度な制御が必要です。擬態能力と神経系の発達は密接に関係していると考えられています。

よくある誤解

「タコは犬と同じくらい賢い」は一概には言えない

神経細胞の数は知能のひとつの目安ですが、知能は神経数だけで決まりません。神経の接続方式・構造・使い方が異なるため、「タコ=犬と同じ賢さ」とは言い切れません。ただし、無脊椎動物としては突出した認知能力(瓶の蓋を開ける・迷路を解く・個体ごとに異なる行動傾向を持つ)が観察されています。

まとめ

イカとタコは、体循環用の心臓1つとエラ専用の鰓心臓2つで計3つの心臓を持ちます。また軟体動物として貝と同じグループに属し、体内に進化の痕跡(軟甲)を残しています。タコの神経細胞数は無脊椎動物では最多クラスで、高い擬態能力とともに研究者の注目を集めています。

よくある質問

Q. タコの腕が切れても再生しますか? A. はい。タコは切断された腕を再生する能力を持っています。腕には神経系が分散しているため、切れた腕自体が短時間動き続ける場合もあります。

Q. イカとタコはどちらが賢いですか? A. タコの方が脳に相当する部分の割合が高く、個体ごとの行動差(性格のようなもの)も観察されており、認知研究では比較的よく研究されています。イカも群れを作る協調行動など高い社会性が知られています。

Q. ヤリイカとスルメイカでは心臓の数は同じですか? A. はい。イカ類は基本的にすべて3つの心臓を持つ構造です。