
この記事でわかること
- 500円を365回使うと18万2,500円。30日を12回とは異なる
- 代替費用や別の支出があれば、買わなかった額がそのまま残るとは限らない
- 運用表は条件を固定した計算例で、収益を保証するものではない
少額の支出でも、回数を掛けると家計での大きさが見えてきます。「ラテマネー」は、毎日のコーヒーなど習慣的な支出を振り返る考え方として紹介される言葉です。ただし、コーヒーをやめれば誰でも資産を増やせるという保証ではありません。
この記事では、支出の単純合計、代替費用を差し引いた節約額、仮定の利回りによる計算を分けて見ます。
どのような考え方なのか
デイヴィッド・バックとジョン・デイヴィッド・マンの共著『The Latte Factor』は、日々の行動とお金について考える物語です。出版社の公式書誌では2019年5月7日刊行と確認できます。物語や出版社の紹介文は、将来の投資収益を実証する研究ではありません。
ここでは、身近な支出を金額と回数に分けて調べるきっかけとして扱います。「少額だから無視する」「楽しみだから全部削る」のどちらかに決める必要はありません。
500円の支出:30日と365日を分ける
以下は本サイトの算術例です。購入価格を毎回500円と仮定し、代替品の費用はまだ差し引いていません。
| 購入回数の仮定 | 支出の合計 |
|---|---|
| 30回(30日間、毎日1回) | 500円×30=1万5,000円 |
| 365回(365日間、毎日1回) | 500円×365=18万2,500円 |
| 毎月30回を12か月 | 500円×30×12=18万円 |
30日を12回繰り返す例は360日分です。365日分と同じ年間金額として扱うと、2,500円の差が消えてしまいます。毎日買うのか、仕事のある日だけなのかも、実際の記録に合わせる必要があります。
買わなかった額と、残った額は違う
500円の飲み物を200円の代替品に変えるなら、1回の差額は300円です。20回なら6,000円であり、500円×20回=1万円を丸ごと節約したとは数えられません。この金額も、価格と回数を仮定した編集上の例です。
また、その6,000円を別の買い物に使えば、預金が6,000円増えるわけではありません。振り返るときは、購入を減らした額、代わりに使った額、実際に残せた額を分けます。
例えば次のように記録すると、どこで差が生じたかを確認できます。
| 確認すること | 記録例 |
|---|---|
| もとの支出 | 500円の飲み物を20回、計1万円 |
| 代わりの支出 | 200円の飲み物を20回、計4,000円 |
| 支出の差 | 6,000円 |
| 残せた額 | 月末の記録で確認。差額と同じとは限らない |
運用した場合の数字は、条件付きの試算
金融庁の資産形成の基本では、株式や投資信託には元本割れのおそれがあると説明しています。節約額を投資に回しても、一定の年利が続くとは限りません。
次の表は金融商品の実績や推奨利回りではなく、計算条件による差を示す本サイトの仮想例です。
- 毎月末に1万5,000円を積み立て、30年間(360回)継続する
- 年の利回りがずっと同じと仮定し、月の利回りを
r = (1 + 年利回り)^(1/12) − 1とする - 税金、手数料、物価の変化、途中の価格変動、積立額の変更を考慮しない
| 仮定した年の利回り | 360回の積立額合計 | 計算上の最終額(万円単位に四捨五入) |
|---|---|---|
| −3% | 540万円 | 354万円 |
| 0% | 540万円 | 540万円 |
| 3% | 540万円 | 868万円 |
| 5% | 540万円 | 1223万円 |
利回りが0でないときの計算式は 15,000 × ((1 + r)^360 − 1) / r、0のときは 15,000 × 360 です。毎月の積立前に前月残高へ月の利回りを掛け、月末に1万5,000円を足す計算でも同じ結果になります。
マイナスの例では積立額の合計を下回ります。プラスの例も、現実にその金額を受け取れる予測ではありません。毎月1万5,000円を残せること自体が仮定であり、先ほどの365日分のコーヒー代をそのまま運用した表でもありません。
見直す支出は、使った目的から選ぶ
使っていない月額サービスと、楽しみにしている飲み物では、本人にとっての価値が異なります。価格だけで削減対象を決めず、利用回数、解約条件、代わりの費用を確認する、という整理ができます。これは本サイトの提案で、研究で効果が測定された手順ではありません。
収入に対して住居費や必要な支払いが大きい場合は、小さな支出だけを見直しても家計全体の不足を埋められるとは限りません。50/30/20ルールの記事では、実際の支出と手取りの関係を確認する例を説明しています。
この読み物は一般的な支出整理と計算の説明です。個人に合わせた投資商品や一定利回りの運用を勧めるものではありません。
参考資料・出典
- Simon & Schuster『The Latte Factor』公式書誌:共著者、刊行日、物語としての紹介を確認。
- 金融庁「資産形成の基本」:家計管理と運用商品の元本割れの説明を参照。
円建ての支出表・代替費用の例・一定利回りの試算は、本サイトが条件を設定して計算したものです。
