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オーロラの仕組みとは:なぜあの色に光るのか

オーロラの色は、光を出す気体や高度によって変わります。典型的な色の目安と2024年5月の日本のマゼンタ色の観測を比較し、観測条件と発生条件を分けて解説します。

オーロラの仕組みとは:なぜあの色に光るのか

この記事でわかること

  • 太陽からの粒子の一部が地球の磁場にとらえられ、極付近の大気に降り込んで発光する(NASA)
  • NASAの解説では、緑は酸素(高度約100〜200km)、赤は酸素(約200km以上)、青は窒素(約100〜200km)、ピンクは窒素(約100km以下)
  • 2024年5月11日の大規模な磁気嵐では、日本の広い範囲で低緯度オーロラが撮影された

北の夜空を緑や赤に染めるオーロラは、なぜあの色に光るのでしょうか。「太陽と地球の磁場が関係している」と聞いたことがある方は多いと思いますが、実際に何が起きているのかはあまり知られていません。

オーロラが発生するしくみ

オーロラは、太陽が絶えず放出する荷電粒子の流れ「太陽風」や、太陽の爆発現象(コロナ質量放出など)が、地球の磁場に影響することで起こります。

NASAの解説によると、太陽風が地球の磁気圏に出会うと、そこにエネルギーがたまり、後に放出されます。その多くは大気に降り注ぎます。太陽からの粒子の一部は地球の磁場にとらえられ、極付近で磁力線に沿って降りてきて、大気中の気体と相互作用して光ります。

大気中の酸素や窒素がこの相互作用で光を出す現象が、オーロラです。大規模な表示は磁気嵐のときに、小規模で頻繁なものは、より小さな擾乱(サブストーム)のときに起こるとされています。

色の違いはなぜ生まれるのか

オーロラの色は、どの気体が光ったかと、その高度によって決まります。NASA Scienceの解説では、次のとおりです。

色気体高度
緑酸素約100〜200km
赤酸素約200km以上
青窒素約100〜200km
ピンク窒素約100km以下

NASAのSpace Placeの解説では、酸素が緑と赤、窒素が青と紫の光を出すとされています。

気体と高度の組み合わせによって、同じ空でも色の出方が変わります。

極付近での粒子と発光色の関係を簡略化した模式図

※図は関係を簡略化した模式図で、磁力線の形や高度を縮尺どおりに描いたものではありません。

観測しやすさと、発生のしやすさは別

NASAの解説では、オーロラは北極圏・南極圏の周辺で最も多く見られます。強い磁気嵐のときは、極から遠い場所にも現れることがあります。

NOAAの観測案内は、地磁気活動、場所、暗さ、時刻を分けています。満月や街明かりで見えにくくなることは、オーロラ自体が弱まることとは異なります。高緯度の夏は夜も明るく、現象が起きていても見えにくい場合があります。

また、同資料は春分・秋分の頃に大きな磁気嵐が起こりやすい傾向を説明しています。夜が長いことだけで、冬をすべての地域の最適な季節に決めることはできません。発生の条件と、観測地点の空の条件を分けて考えます。

日本でのオーロラ観測

日本でオーロラが見られることは非常にまれですが、完全にゼロではありません。

2024年5月11日の巨大磁気嵐では、日本の広い範囲でオーロラが撮影されました。片岡龍峰らの研究は、市民が撮影した179地点の観測を使い、見える角度と撮影地点から発光位置を推定しています。上端の高度は約1,000kmと推定され、兵庫県のような低緯度から見えた理由として説明されています。写真による位置の推定であり、高度を直接測った値とは区別します。

特徴は、典型的な低緯度オーロラの赤だけでなく、マゼンタ色が見えたことです。研究は、酸素の赤い光と窒素分子イオンの青い光が重なり、青い光には高高度での太陽光の共鳴散乱が寄与したと説明しています。上の色と高度の表は典型的な目安で、この特殊な観測の全条件を表すものではありません。

スマートフォンなどの写真と肉眼でも見え方は違います。「日本で撮影された」という報告を、どの場所でも同じ明るさで肉眼に見えたという意味に広げないことが大切です。

よくある誤解

オーロラは北半球だけの現象である

北半球のオーロラは「オーロラ・ボレアリス」、南半球は「オーロラ・オーストラリス」と呼ばれます(NASA Space Place)。南半球の極付近でも起こる現象です。

まとめ

オーロラは、太陽からの粒子の一部が地球の磁場にとらえられ、極付近で大気中の酸素や窒素と相互作用して発光する現象です。NASAの解説では、緑と赤は酸素、青とピンクは窒素の光です。2024年5月11日のように、大規模な磁気嵐のときは、日本でも撮影されることがあります。

よくある質問

Q. オーロラはどのくらいの高さで発生しますか? A. NASAの解説では、色によって、おおむね高度100km以下から200km以上に分かれます。飛行機が飛ぶ高度(10km前後)よりはるかに高い場所です。

Q. オーロラを見るのに最も良いシーズンはいつですか? A. NOAAは春分・秋分の頃の活動の傾向と、高緯度の夏に暗くならないことを分けて説明しています。季節だけで決めず、活動状況と現地の暗さを確認する必要があります。

Q. 宇宙からオーロラを見るとどう見えますか? A. 地上とは異なる視点から大気の発光を捉えられます。NASA Scienceの写真や模式図は、地上での観測と宇宙からの観測を読み分ける参考になります。

参考資料・出典

資料確認日:2026年10月9日。